迎え入れるまでの時間は、
思っていたより、ずっと長かった。
必要な準備は、ひとつやふたつじゃない。
検査のこと、家の安全対策、生活の段取り。
どれも後回しにはできなかった。
それでも僕は、決めていた。
この時間を、ただ待つ時間にはしない。
仕事終わり、どんなにバタついていても、
自然と足は、あの場所へ向かっていた。
ぽん蔵は、いつも同じだった。
遠くから気配に気づき、
近づけば、まっすぐこちらを見る。

言葉は交わせない。
でも、あの目を見ていると、
「まだだよ。でも、ちゃんと来てるよ」
そう伝えている気がした。
この時間が、
僕にとって何だったのか──
それが分かるのは、もう少し先の話になる。

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