しかし──すぐに迎え入れることは、できなかった。
まずは、ぽん蔵の健康チェックや各種検査。
そして、ゲージ・トイレ・ごはん皿・キャットタワー……生活に必要なものの準備。
さらに、僕が「ひとりで暮らすつもり」で設計した家の“吹き抜け”──そこからの落下対策もしなきゃいけない。
だから、ぽん蔵をすぐに連れて帰るわけにはいかなかった。
それでも僕は、毎日会いに行った。
どんなに疲れていても。
どれだけ仕事が忙しくても。
帰ってから予定が詰まっていても。
ぽん蔵に会いに行き、家の準備をし、もちろんトレーニングも抜かさなかった(笑)。

あの広くて騒がしいペットショップの中でも、ぽん蔵は初日から僕の「気配」を察知していた。
遠くから僕が近づくと、
いつもゲージの中の台にちょこんと立って、キョロキョロと僕を探していた。
目が合えば、嬉しそうにしっぽをブンブン!
ゲージの壁越しに、小さな肉球でハイタッチをしてくるのが“お決まり”になっていった──。
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